だらだら

ノアバーム・バックの「ベン・スティラー人生は最悪だ!」を見終わって時間をみたらもう朝5時前になっていた。カーテンをしてない(正確に言うとカーテンをつけていない)窓がさっきまで暗かったのにだんだんと明るみ始めた。鳥の鳴き声も聞こえてきた。

 

子供の頃、朝というのは7時からだと勝手に思っていた。たぶん小学校が8時過ぎとかに始まるから6時半くらいから母に起こされ始めて、ようやく起き上がるのが7時過ぎとかだった。朝ごはんを食べながら「おはよう日本」を見るのが日課だった。その頃は7時からが僕にとっての朝だった。今は空が明るくなってきて鳥が鳴き始めたら朝だと思う。春は4月1日からって決まっていないし、だんだん暖かくなってきたら春だなあと思うのと同じような気がする。

 

もう一本映画を見る前にタバコを吸いに外に出た。思った以上に空が明るいというか、窓越しに感じた光より明るくて少し驚いた。向かいの家の屋根の淵に鳥が何羽か止まっていて、そこから一羽が電柱に飛び移った。鳥達は話しているのか分からないが話しているみたいに鳴いていた。屋根に止まっていた二羽が飛び立って僕の頭上を通り越していった。近くの建物よりかなり高く飛んでいったので何処か遠くに行くみたいだった。小さくなっていく黒い点を少し眺めていた。

 

イヤホンで音楽を聴いていたが鳥を見ていたのでよく聞いてなかった。思い出したようにカネコアヤノは歌い出した。

 

家の前をおばさんが自転車で通って行った。

 

向こうの方で家からスーツを着た人が出ててきて駅の方向へ歩いて行った。

 

街灯はまだついていた。

 

星はもう見えなくて、雲はよく見えた。晴れているのかこれから晴れるのか分からないが空は曇った色をしていた。