スラムダンク

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高校生ぶりに読んだけど、初めて読んだあのときと同じように桜木花道に励まされた。桜木花道も僕たちと同じ世界に生きていると思わせてくれる。

 

 ストーリーには興味がない。ストーリー展開には。どう転んでいってもキャラクターにとって必然、自然というか、そういうものであればドラマになる。キャラクターさえ、人間がちゃんと描けていればどうしようが何もしまいがドラマになると思う。だから結果的にストーリーになったという考え。

井上雄彦

 

 と井上雄彦がインタビューで語っていた。ストーリーの為のキャラクターではなくて、キャラクターの為のストーリーというのは、人生もそうであることを肯定していると思う。生きのびるため、生きることを目的としてしまわないように生きるということ。

 

「生きのびる」という強制力から自由になっているものを見ると、心が吸い寄せられる

『はじめての短歌』穂村弘

 

穂村弘が言っていることが、桜木花道と『スラムダンク』という作品自体から僕が感じたことかもしれない。

 

自分の好きになった作品は、出てくるキャラクターが好きだし、彼らから何かを運ばれた実感があるし、何より彼らが生きていると感じる。そういう意味で、映画を観ることも小説を読むことも漫画を読むことも詩を読むことも、“人に出会うこと”と同じになると思っている。

 

スラムダンク』は山王戦の後突如終わるけれど、エンドロールの後も彼らがバスケをしていて生きている世界が想像できる。というよりしたい。